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【特集】群馬から世界へ、そして群馬へ。「日本一の学長」が語る、共愛学園が描く地域の未来

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2026年4月、新たに「デジタル共創学部」を産声あげた共愛学園前橋国際大学。全国の大学から視察が絶えず、「学長が選ぶ学長」日本一に輝いた大森昭生学長に、これからの地域と若者の姿について切り込みました。

  • 群馬に根を張る「飛び立たないグローバル人材」

——「共愛12の力」の中で、今の群馬を担う若者に最も欠かせない要素は何でしょうか?

大森学長: それは「グローカルマインド」に尽きます。群馬はものづくりと農業の県。実は非常にグローバルな戦いの最前線にあります。世界的な視野とコミュニケーション能力を持ちながら、その力をどこで発揮するか。私たちはそれを「飛び立たないグローバル人材」と呼んでいます。4年間のうちに一度は世界へ飛び出し、戻る場所は群馬。そんな若者がこれからの地域を支えます。

  • 変化を恐れない「スピード感」の正体

——全国1位の評価を受ける「組織の変革スピード」。その信条はどこにありますか?

大森学長: 「全員の合意を待つ」のは学校組織の幻想です。リーダーの役割は、「今すぐやるべきこと」と「時間をかけて全員で魂を込めること」を切り分けること。 例えばデジタル化への対応はスピードが命。一方で、大学の骨格を変えるカリキュラム改正には4年かけ、全員で議論し尽くしました。この「判断の使い分け」が、大学としての柔軟性を生んでいます。

  • VC20年、SNS・AI時代でも変わらない「温度」

——2003年の開始当初は「授業ですらなかった」というVCですが、デジタル全盛の今、学生のビジネスの作り方に変化はありますか?

大森学長:今はSNSもAIも当たり前のツール。でも、彼らが最終的に目指すのは「リアルな価値」です。 LINE一つで済ませたい世代が、あえて泥臭く企業へ足を運び、対面で説明し、時には喧嘩もしながらモノを作る。SNS時代の今だからこそ、この「温度のあるコミュニケーション」の価値は20年前より高まっていると感じています。

  • 卒業後も芽吹く「湯浴み着事業」の教育的意義

——私自身もVCから生まれた「湯浴み着事業」を継続していますが、学生の活動が社会で生き続けることをどう捉えていますか?

大森学長: まさに「相互作用」の結果ですね。大学という箱がサポートし、学生の「先輩が作ったものを絶やしたくない」という想いが継承される。 ビジネスは単発で終われば「点」ですが、継承されれば「線」になり、地域を動かす力になります。木榑さんが今も続けているように、「自分がやる」という当事者意識(アントレプレナーシップ)こそが、VCの真の目的です。

  • デジタルがもたらす「群馬の通訳」としての役割

——新設「デジタル共創学部」により、群馬の街はどう変わりますか?

大森学長:うまくいかない一因は、専門家と地元の「通訳」がいないことです。 デジタルの基礎を持ちながら、地域の経営や食、暮らしを理解している人材。IT企業の提案を正しく評価し、自社のDXを推進できる「通訳」が企業に入れば、東京との格差は埋まり、群馬はもっと強くなります。

  • 「情報ぐんま」×「共愛学園」——新しい共創の形

——地域メディアと大学が融合したとき、どのような未来が可能でしょうか?

大森学長: 大学は「ネタの宝庫」です。学生や教員の挑戦を、地域メディアの力で発信していただく。それは単なるPRではなく、地域の人々に「こんなに頑張っている若者がいる」という希望を届けること。 また、SNSのプロである皆さんに、学生へ「サイエンス(技術)」と「アート(感性)」の指導をいただければ、大学の情報発信もさらに進化するでしょう。

  • 10年後の姿を描かない——それが「共愛らしさ」

——10年後の共愛学園、そして群馬の若者はどうあってほしいですか?

大森学長: あえて、10年後の姿は描かないことにしています。予測不能な時代に「10年後はこうなっている」と決めつけるのは、社会の変化を無視すること。 大切なのは、どんな変化が起きても、常にアンテナを高く張り、しなやかに学び直し続けられる組織であること。学生たちにも、そんな「自分で道を切り拓く力」を身につけてほしい。

【メッセージ:群馬で挑戦を続けるあなたへ】

2028年に創立140周年を迎える共愛学園。かつて地域の人々がお金を出し合って設立されたこの大学は、今も地域に支えられています。「大学の課題は、地域の課題そのもの。地元の若者を共に育て、共に支えていただければ幸いです。」(大森学長)

【編集後記】

【編集後記】
テレビ取材での「切り取り報道」に対する苦笑いから始まったインタビューでしたが、大森学長のお話は、常に「現場の学生」と「地域群馬」への深い愛情に満ちていました。 印象的だったのは「魂を込めるための時間」を厭わない姿勢です。 デジタルという最先端を走りながらも、泥臭い議論を大切にする。 この「熱い人間味」こそが、共愛学園前橋国際大学が「日本一」と称される真の理由なのだと肌で感じました。

今後は、新たに誕生した「デジタル共創学部」の現場にも密着し、学生たちが地域課題をどう「通訳」し、変革していくのかを追い続けていきたいと思います。 6号館のキッチンスタジオから、どんな新しい「群馬の未来」が料理されるのか。 今後も目が離せません。

(取材・構成:情報ぐんま編集部)

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