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「自分たちが頑張って作り続ける」高崎唯一のまねきねこ工房が語る、まねきねこの知られざる裏側

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祭りの市でだるまや招き猫などの縁起物が販売されているのを見かけたことはあるだ
ろうか。現在では「縁起がいい」「金運が上がりそう」「グッズとしてほしい」などの理
由で縁起物を購入するお客さんも多く、特に近年では外国人観光客に人気が出ているよう
だ。だるまの生産が全国的に有名な群馬県高崎市内において、唯一まねきねこを製造して
いる工房がある。
「荻原招き猫工房」は、明治期から続く、創業約150年の歴史あるまねきねこ工房だ
。現在運営している荻原浩史さんは、工房の5代目。妻の千里さんとともにこの工房を紡
いでいる。我々情報ぐんま特派員は、まねきねこに対する率直な思いと、今後の展望につ
いて伺った。

■元々は「ネズミ除け」のまねきねこ

―明治期からまねきねこを製造しているのには驚きました。群馬県内では当時からだるま
などの縁起物が有名だったのでしょうか?
荻原さん:「おそらくその時点でだるまは有名だったと思います。まねきねこは、元々養
蚕が盛んな群馬県内でネズミ除けのために飾られていたのが、段々縁起物になっていった
という形らしいですよね。」
―まねきねこがもともとネズミ除けのために置かれていたのは初耳でした。今はもう置物
としてよく買われていますよね。
荻原さん:「現在は縁起物として飾られるほか、最近はインテリアとしても飾られていま
すね。」
―現在では老若男女問わずたくさんの人がまねきねこを購入されていますよね。お客さん
がまねきねこを購入するきっかけは主にどのようなものがあるのでしょうか?
荻原さん:「もともと縁起物なので、お店をやられている方や商売をされている方が商売
繁盛を願って買われたり、最近だとSNSなどで見て、それがきっかけで買いに来られる方
もいらっしゃいます。」

■既に今年は1万以上のまねきねこを製造

―まねきねこの製造で一番大変な作業は何ですか?
荻原さん:「作業工程でいうと、土台の底の部分を作るのが肉体的には大変ですね。底の
部分なんですけど、機械に土を入れ、機械の中でこねられ、『土練機』という機械で粘土
板のようなパーツがたくさん出てきます。それを型にはめ、1個1個手で型抜きしていくん
です。クッキーの型抜きみたいなものですね。多くのだるま工房では型抜きも機械でやっ
ているそうなのですが、うちは未だに手でやっています。今年は既に1万2千、3千くらい
は作ったかな?
そして、仕上げの段階になってくると細かい作業が増えるので、顔を描く部分などが大変
になってきます。大きさによって柄も変わってきますし。」

■祖父の伝統工芸士を継承

―まねきねこを通じたお客さんとの交流の中で、一番印象的だったこと、嬉しかったこと
はありますか?
荻原さん:「祖父がもともと伝統工芸士で、祖父が亡くなってからは私と叔母でまねきね
こ工房を継続していました。そこで、私に伝統工芸士のお声がけがあり、推薦していただ
いたというのが印象的でしたね。だるま屋さんでは伝統工芸士の方は何人もいらっしゃる
んですけど、うちにも声をかけていただいたというのはありがたいですね。まさか自分が
伝統工芸士になるとは思ってもいなかったので(笑)」

■まねきねこの右手と左手には違う意味があった!

―ずばり、まねきねこの魅力は?
荻原さん:「あんまり考えたことなかったなあ(笑)。でも、『かわいい』と言って買っ
てくださる方がいるので、やはりそういうかわいらしさというか、置物としてだけではな
く、猫好きの人が買っていってくれたりする部分はあるのかなあ、って思いますね。
まねきねこの『猫背がいいよね』って言う人もいて、作っている我々からしたら見慣れて
いるものなので、そこまでのことは考えたことは無かったですね。」
―「まねきねこマニア」という人々は一定数いるものなのでしょうか?
荻原さん:「元々実物の猫が好きでまねきねこを買われるお客さんや、あとは張り子のも
のが好きというお客さんもいらっしゃいます。
実は、まねきねこは右手を挙げているか左手を挙げているのかで意味が変わってくるので
す。右手が『福』や『お金』関係で、左手が『人招き』を意味しているんです。左手を挙
げるまねきねこは人を呼ぶので、やはりお店をやられている方に多く買っていただいてい
ます。」

■まねきねこ工房の今後の展望とは?

―最後に、これからのまねきねこについての発信であったり、今後の展望について教えて
ください!
荻原さん:「今回の取材のように、このようにして情報を発信していただいて知ってもら
うというのも必要にはなりますし、あとは自分たちが頑張って作り続けることですよね。
コロナ禍の時期には出荷量も少なく、売れなかったので苦労しましたが、現在は市で販売
する機会も増えて嬉しいですね。もしかしたら皆さんのまちの祭りでも、私たちの作った
まねきねこが販売されているのかもしれません。」

【編集後記】

今回、我々情報ぐんま特派員は工房にてまねきねこの絵付け体験をさせていただいた。顔
を描くのは細かい作業が多いため難しく、左右をバランスよく描くのは至難の業であるこ
とを実感したが、世界で一つだけのまねきねこが完成し、自然と愛着が湧いた。左手を挙
げる私のまねきねこ。「人招き」を意味する左手で、これからの情報ぐんまに多くの方々
がアクセスしてくださるよう、我々も頑張りたい。
〈ライター〉
本橋佑介(もとはしゆうすけ)高崎経済大学1年 学生団体SONOSAKI所属

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