Article Title


群馬県立近代美術館で開催中の「群馬青年ビエンナーレ2025」。
全国から244組、342点もの応募が集まり、書類選考を経て44組の入選作品が並ぶ会場は、まさに若き表現者たちの熱量で満ちあふれていました。






白い展示空間を切り裂くように立ち上がるインスタレーション、鮮烈な色彩と大胆な筆致がぶつかり合うキャンバス、光や音、映像を駆使して五感を揺さぶるメディアアート──いずれの作品も、「自分だけの視点」を全力で投げかけてくるような勢いがあります。












どの作品も、技術や完成度だけでなく、作家の内面から溢れ出す衝動や問いかけが強く感じられました。それは、まだ固まりきらないからこその瑞々しさであり、試行錯誤の中に潜む無限の可能性です。作品を前にすると、未来のアートシーンを形づくるであろう若者たちの姿が、確かにここにあると感じられます。















会場を一巡し終えたとき、私は「勢い」と「将来性」という二つのキーワードが胸に残りました。完成された美ではなく、成長し続ける過程そのものが、これほどまでに人を惹きつけるのか──その事実に気づかされた展示でした。



この展覧会は、8月24日まで群馬県立近代美術館で開催中です。
今、この瞬間にしか見られない、未来への原石たちに出会える貴重な機会。ぜひ足を運び、若きアーティストたちの息遣いを感じてほしいと思います。



開催概要
- 会期:2025年7月19日(土)〜8月24日(日)
- 会場:群馬県立近代美術館
- 休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)
- 観覧料:一般500円/大学・高校生250円/中学生以下無料
若きアーティストたちの息遣いを感じられる貴重な機会。ぜひ足を運び、未来への原石たちに出会ってください。
【編集後記】
取材を終えて振り返ると、会場に漂っていたのは“未完成の美”でした。完璧ではないからこそ、作品からは生きた鼓動が伝わってきます。
展示室を出たあとも、そのエネルギーが心の奥でじわじわと響き続け、ふとした瞬間に作品の断片が蘇ります。
夏の群馬で、未来を担うアーティストたちの原石に出会える時間──これはきっと、何年後かに「この人の初期作を見たんだ」と誇れる体験になるでしょう。