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群馬県の自然と花の魅力を体験できる「群馬フラワーパーク」が、このたび「群馬フラワーパーク+」としてリニューアルオープンします。
園内の広さは18.4ヘクタール。新たに植えられた約5,700株のバラをはじめ、アジサイやクレマチスなど、多彩な花々が訪れる人々を出迎えます。
今回、オープンを前に園長にお話を伺いました。リニューアルにかけた思いや、ここまでの準備で感じた大変さ、そして一番楽しかったこととは――。



このたび、約2年半にわたる改修工事が無事完了し、10月10日(金)に「群馬フラワーパークプラス」として新たにオープンいたします。一部の施設については来春以降のオープンとなりますが、それ以外はすべて10月10日からご利用いただける予定です。
名称は従来の「群馬フラワーパーク」を引き継ぎつつ、“五感で楽しむ新たな価値”を加える意味を込めて「プラス」を付けました。
ロゴマークは丸い形を基調に、バラ・アジサイ・クレマチスの3種の花をモチーフとして組み込みました。さらに群馬県の形を象徴する「鶴」が飛び立つ姿をイメージし、色には金色を採用しています。上質で素朴な空間や体験、そしてそこで得られる価値のきらめきを表現したものです。
資料の表紙には黄色いバラの写真を使用しています。テーマカラーである金色に合うバラを探す中で、未発表の新品種に巡り合い、オリジナルローズとしてご提供いただけることになりました。こちらは「ココンジョーヌ」と命名しております。ココンは“繭”、ジョーヌは“黄色”を意味し、「黄色い繭」を表現しています。群馬を代表する絹文化を象徴する名前であり、花姿も繭のように丸みを帯びていることから、この名を付けました。
運営にあたり大切にしている3つのポイントは以下のとおりです。
- 花や緑に囲まれた空間で、ゆったりとした時間を過ごしていただくこと。
- 群馬の魅力を再発見し、広く発信していくこと。
- ネイチャーポジティブな取り組みを積極的に進めること。
今回のリニューアルに合わせて掲げた新しいコンセプトは「Enjoy Calm(エンジョイカーム)〜花と遊ぶ〜」です。花は“眺めるだけ”でなく、触れたり体験したりすることでさらに魅力を感じられます。花と一緒に遊ぶ感覚で様々な体験を楽しんでいただき、帰るときには「花に囲まれた楽しい一日だった」と思い出していただけるような施設を目指しています。
本日の園内案内は、グリーンチームの三平、園芸チームの竹井が担当いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
群馬フラワーパークプラスは、18.4ヘクタールの広さを持ち、コンセプトの異なる5つのエリアに分かれています。園内には、期間限定エリアを含む3つのレストラン・カフェ、オリジナル商品やクラフト品を販売する2つのショップ、そしてアクティビティを体験できるスタジオなどを備えています。
シンボルとなる花は、バラ・アジサイ・クレマチス。いずれも群馬の風土に根差し、地域で愛されてきた花々です。これらを「シグネチャーフラワー」として掲げ、群馬ならではの花の魅力を全国へ発信してまいります。
また、園内には既存のガーデンに加え、約5,700株のバラをはじめとする多彩な花々を新たに植栽いたしました。秋にはバラやクレマチスに加え、マリーゴールドやケイトウなどもご覧いただけます。
本日は園内を巡りながら、ガーデンや各施設をご紹介いたします。リニューアルした群馬フラワーパークプラスの魅力を存分にご体験ください。






シェフが一番おすすめしたい料理は?
「やっぱり群馬県産の豚肉を使ったグリルですね。赤玉ねぎのピクルスを花びらのように仕立て、食用花も添えています。見た目もきれいで、ぜひ食べてほしい一品です。」
「あとはパスタも試食の段階から、いろんな方に『美味しい』と言っていただいています。どちらも自信を持っておすすめできる料理ですね。」
―群馬らしい定番メニューは用意されないのでしょうか?
「焼きまんじゅうのような定番メニューは、常設としては考えていません。イベント料理として提供できればいいなと思っています。オープン時にはメニューに入っていませんが、今後のタイミングで登場させたいですね。」






取材当日、私たちも実際に料理を試食しました。
群馬県産豚肉のグリルは、ジューシーで旨みが濃く、赤玉ねぎのピクルスと食用花が彩りと爽やかさを添えています。香ばしい香りと食感のバランスが絶妙で、「本当に美味しい」と思わず声が出るほど。
パスタも試食しましたが、ソースのコクと素材の風味がしっかり感じられ、こちらも多くの方に好まれるのも納得の味でした。
シェフ自身も「ぜひ皆さんに味わってほしい」と話すように、見た目も味も楽しめる料理の数々が揃っています。



TEIEN(テイエン)――懐かしさと新鮮さが共存する、心やすらぐ庭園
TEIENでは、どこか懐かしく、どこか新鮮な風景が広がります。季節ごとに表情を変える花々は、和の心で愛でられ、日本庭園ならではの静寂と優雅さに包まれます。園内の野菜の花畑も見どころのひとつで、色とりどりの花が咲き誇る姿は、思わず足を止めて眺めたくなる光景です。
また、園内では郷土料理や地場産の食材を味わうことができ、ぐんまの里山の豊かさを肌で感じることができます。自然の香りや風、土のぬくもりが織りなす穏やかな空気に触れると、心がゆっくりとほどけていくのを実感できるでしょう。
TEIENは、日常の喧騒を忘れ、心身を静かに解きほぐす場所。ここで過ごす時間は、まるで日本の四季と文化をそっと抱きしめるような、優しい和のひとときです。









ミナモマーケット(MINAMO MARKET) ― みんなに話したくなる、ぐんまの魅力が詰まった場所
ミナモマーケットは、園内での思い出や今日の感動を手のひらに持ち帰ることができる場所です。遊び心あふれるアイテムや、心が躍る商品が揃い、つい誰かに話したくなるようなワクワク感を体験できます。
ここでしか手に入らない園内の花をテーマにしたオリジナル商品に加え、先人たちが紡ぎ、つなげてくれた群馬の“素敵”な逸品や手仕事の工芸品も集めています。群馬シルクを使ったアイテムや伝統工芸品など、地産地消にこだわった品々は、地域の文化や自然を感じられる特別なアイテムです。
ミナモマーケットで選んだ一つひとつの品が、園内で過ごしたひとときの思い出となり、帰宅後もぐんまの魅力をそっと伝えてくれるでしょう。花や自然、郷土の息吹を感じながら、お気に入りの一品を見つけてください。









“Enjoy” Slow Activity ― 花と自然とつながる遊び
園内全てが遊びのフィールド。「Gunma Flower Park +」では、四季折々のアクティビティを一年を通して開催しています。花や自然、そして地元ぐんまの恵みと、さまざまな方法で触れ合いながら遊ぶことができます。
花に囲まれた空間で体験するひとときは、心を解放し、自然体で過ごす喜びを感じられる時間です。花や緑との距離がぐっと近くなり、より自然やぐんまの魅力を好きになることでしょう。見るだけではない、花の新しい楽しみ方をぜひ体験してください。






群馬フラワーパーク+では、花や自然と触れ合いながら楽しめる多彩なイベントやアクティビティが用意されています。記者も実際に体験しましたが、秋の草花の花摘みでは、色とりどりの季節の花を自分の手で摘み取り、その香りや感触を間近に感じることができます。
さらに押し花を使ったミニダルマ作りでは、花びらを組み合わせて自分だけの作品を作る楽しさがあり、完成したダルマは思い出として持ち帰ることもできます。
園内では、このほかにも様々な体験プログラムが開催されており、季節ごとに変わる花々とともに、家族や友人、カップルでも楽しめるアクティビティが盛りだくさんです。訪れるたびに新しい発見と体験が待っているのが、群馬フラワーパーク+の魅力です。











距離を感じさせない、1日中楽しめる庭園へ ― 園長が語る思い


―オープンまでの準備で、大変だったこと、楽しかったことは?
「楽しかったのは、やはり地域の方々との出会いですね。もともと群馬には縁があまりなかったのですが、4年前から関わるようになって、多くの方と接する中で『本当に面白い場所だな』と感じました。地域性が豊かで、人々も温かく、受け入れてくれる。そうした出会いのおかげで、毎日楽しく仕事ができました。」
「大変だったのはオープンの延期です。当初は4月の開園を目指して準備を進めていましたが、延期になったことでスケジュール調整が一番大変でしたね。」
―アクセス面についてはいかがですか?
「確かに駅からは少し距離があります。でも、『遠いから来ない』ということではないと思っています。大切なのは、滞在時間の長さです。1時間程度で帰ってしまう施設なら距離は負担に感じるかもしれませんが、1日ゆっくり楽しめたり、宿泊して翌日も訪れたくなるような施設であれば、距離は気にならないはずです。道の駅のように立地に関係なく賑わう場所もありますし、私たちもそういう存在を目指しています。」












ぐんまフラワーパーク+
園長のお話から感じられたのは、花だけでなく「人や地域とのつながり」を大切にする施設づくりへのこだわりでした。
駅から少し距離がある立地でも、1日中楽しめる体験や滞在時間の工夫で訪れる人を迎え入れる。その姿勢が、「群馬フラワーパーク+」という名前に込められた“プラスの価値”そのものなのかもしれません。
リニューアルで生まれ変わった園内は、花と遊び、触れ、体験することで、群馬の魅力を改めて実感できる場所になっています。