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5月19日、前橋市の上毛新聞敷島球場にて、プロ野球パ・リーグの埼玉西武ライオンズ対千葉ロッテマリーンズの公式戦が行われた。西武主催の敷島開催は3年連続15回目。この日はチケットも完売となり、球場を埋め尽くす多くのファンが詰めかけ、プレイボール前から熱気に包まれた。



■ 地元ファンの心を揺さぶる、群馬ゆかりの選手たちの競演
試合は、群馬の高校野球ファンなら誰もが胸を熱くするスタメン構成となった。健大高崎高校出身の西武・柘植世那(つげ せな)選手が「7番・キャッチャー」で、前橋育英高校出身のロッテ・小川龍成選手が「2番・セカンド」でそれぞれスタメン出場。地元ゆかりの若き名手たちがグラウンドに姿を現すと、スタンドからは一段と大きな声援が沸き起こった。
先制したのはロッテ。3回表、1死三塁のチャンスで打席には前橋育英出身の小川選手。初球を鮮やかに振り抜くと、ライト前へのタイムリーヒットとなりロッテが1点を先制する。小川選手は5回表にもヒットを放ったほか、その裏の守備では3捕殺を記録するなど、慣れ親しんだ地元の風の中で躍動感あふれるプレーを披露した。
しかし、西武もすぐさま反撃に出る。直後の 3回裏、1死走者なしから9番・西川愛也選手がライトスタンドへソロホームランを放ち、試合をすぐさま振り出しに戻した。
■ 敷島の風を味方につけた、長谷川信哉の決勝2ラン


ドラマが生まれたのは4回裏だ。4番・ネビン選手が死球で出塁すると、続く5番・長谷川信哉選手#63が打席へ。「確実に見極めようと思って打席に入ったが、投球が進むにつれて狙い球が絞れた」という長谷川選手。捉えた打球は、敷島球場の夜空へ高く上がった。
「ベルーナドームだったら(切れて)ポールに巻いていたかもしれない。でも、この敷島特有の風もあって、打球がレフト方向にグンと伸びていった。入ったな、と思って見送っていました」
そう振り返る確信の一発は、値千金の勝ち越し2ランホームラン! 今季5本目となったこの一撃について、長谷川選手は「去年は結果を追い求めすぎてバットが出なかったり体が固まったりしていたが、今年は相手投手とちゃんと勝負ができている」と、自身の確かな成長と好調の要因を語ってくれた。
■ ルーキー武内、粘りのピッチングと女房役への感謝


西武の先発は、ドラフト1位ルーキーの武内夏輝投手。およそ2週間ぶりの一軍マウンドとなったが、初回からランナーを背負いながらも「点を取られないように」と、気迫の粘りを発揮。7回を投げて7奪三振、1失点(自責点0)の熱投で、見事に今季3勝目を手にした。
初めて踏んだ敷島のマウンドについて、武内投手は「少し間隔が空いて入りが難しかったが、うまく合わせられてよかった」と安堵の表情を見せた。また、女房役を務めた地元・健大高崎出身の柘植捕手#37に対しては、「もう、柘植さんを信頼して、自分はただ頷いていくだけでした」と、固い絆と全幅の信頼を明かした。
9回表にロッテ・ソト選手のソロホームランで1点差に詰め寄られたものの、西武がリードを守り切って逃げ切り勝ち。5回裏の終了時にはスタンド後方に鮮やかな花火が打ち上がるなど、前橋の夜は大いに盛り上がった。






【歓喜のヒーローインタビュー】
試合後、お立ち台に上がったのは武内夏輝投手と長谷川信哉選手。満員のスタンドに向けて、勝利の喜びを爆発させた。
◆ 武内夏輝投手「群馬で勝てて、本当に嬉しいです!」



── 見事な粘り勝ちで今季3勝目です。今のお気持ちをお聞かせください。
「あの……群馬で投げられて、本当に嬉しいです!」(場内大歓声)
── 今日のキャッチャー、地元出身の柘植世那捕手とのコンビも見事でした。リードはいかがでしたか?
「もう、柘植さんを信頼して、自分は頷いていくだけでした。本当に頼れるキャッチャーです。皆さん、柘植さんに大きな拍手をお願いします!」(場内温かい拍手)



── チケット完売の前橋のファンへ、メッセージをお願いします。
「今日もたくさんのご声援、本当にありがとうございます。チームは今(苦しい状況で)首位ではないですけれど、あまり気にせず、ここから1勝1勝を全力で積み重ねていきたいと思います!」
◆ 長谷川信哉選手「1、2、3、マーベラス!」



── 決勝の2ランホームラン、ナイスバッティングでした!ベンチもスタンドも凄い盛り上がりでしたね。
「最高です!(西川)愛也さんが同点ホームランを打って振り出しに戻ったあと、先頭のネビンさんがデッドボールを当てられたので、僕自身も『やってやるぞ』と燃えるものがありました。前橋の皆さんの声援が、本当に力になりました」
◆ライオンズファンの皆さんへ、お馴染みのポーズをお願いします!
「群馬のライオンズファンの皆さんにも、僕のフレーズ『マーベラス』をぜひ普及させていきたいです。チームメイトの甲斐野投手には『スベり芸』なんて言われていますけど(笑)、しっかり浸透させて独走していきたい。皆さん、右手を高々と上げてください。いきますよ!」
「1、2、3、マーベラス!!」(球場全体が一体となる大歓声)



【試合後記】
今回で3回目となったプロ野球の取材。前橋の街が一体となって盛り上がるエネルギーを肌で感じ、私自身の胸も熱くなりました。 球場の外に目を向けると、ベルーナドーム定番の「ライオンズ焼き」の移動販売車に行列ができていたほか、前橋市のPRブースや、群馬が誇る「こんにゃくパーク」のブースなどもずらりと並び、試合前からまるでお祭りのような賑わいを見せていました。 単なる「野球の試合」という枠を超え、球場全体で地域を盛り上げよう、群馬を楽してもらおうとする温かい雰囲気が至る所に溢れており、非常に印象深く、心に残る一日となりました。


〈ライター〉 左右田光綺(そうだみつき) (高崎経済大学3年 / 学生団体 SONOSAKI 所属)
〈責任編集〉情報ぐんま編集部


