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「女子サッカーを、群馬の誇りに。そして、地域と育つクラブでありたい。」 ザスパ群馬ルミナス・須永和昭オーナーが描く“次のステージ”

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県リーグ全勝優勝のその先へ。地域と共に歩むクラブ経営の哲学とは。

群馬県太田市を拠点に、女子サッカーの新たな歴史を刻み始めたザスパ群馬ルミナス。
立ち上げ初年度となった昨シーズン、県リーグで全勝優勝・昇格という快挙を成し遂げた背景には、どのような想いと準備があったのか。

今回、情報ぐんまではオーナーの須永和昭社長にインタビューを実施。
チーム創設の原点から、新たなステージへの挑戦、そして地域と共に歩むクラブの未来像まで、率直な言葉で語っていただいた。

Q1|昨季の全勝優勝・昇格。その最大の要因は?

チームとして一番大きかったのは、「人」だと思っています。
立ち上げ初年度にも関わらず、全国から志の高い選手が集まってくれました。なでしこリーグという、より上のカテゴリーでプレーしていた選手が4名加わったほか、各地域で活躍していた選手たちが、「ゼロからチームをつくる」という挑戦にワクワクしながら集結してくれた。

その選手たちが一つにまとまり、しっかりとした体制を整えてシーズンに臨めたことが、全勝優勝という結果につながったと感じています。

Q2|今季、新たなステージで戦う難しさと、その戦略は?

カテゴリーが上がることで、当然ながら戦いは簡単ではなくなります。
その中で今、特に力を入れているのが「現場体制の強化」です。

現在はGMが監督を兼任していますが、固定の現場監督の招聘を進めており、指導体制の充実を図っています。

トレーナー体制についても昨季から継続し、フィットイージー様やスマートストレッチ様など、ケアの面でも支援をいただいています。

選手編成では、昨季18名でスタートし、進学などによる退団はありましたが、新たに4名が加入。大卒の新卒選手など、運動量のあるフレッシュな選手が加わり、群馬県1部でもファンの皆さんに喜んでいただける試合ができる準備は整っています。

Q3|地域とクラブの関係性で大切にしていることは?

ザスパ群馬男子が前橋を拠点としている中で、ルミナスは「群馬県全体」にザスパ群馬の名前を広げていきたいと考え、太田市を本拠地にしました。

私は街づくりにも関わっているため、行政との連携も大切にしています。市町村長の皆さんへ挨拶を重ね、千代田町の「ちよだ利根川おもてなしマラソン」など、行政イベントにも積極的に参加しています。今後は包括連携協定という形でも、各市町村と協力していきたいと考えています。

ファンづくりに関しては、昨年だけで60以上の地域イベントに参加しました。小さなお祭りや行政イベント、一日警察署長など、選手たちが練習の合間を縫って地域に出向いてくれたことが、認知拡大の大きなきっかけになっています。

Q4|WEリーグ参入に向け、今もっとも力を入れていることは?

目標は明確で、段階を一つずつ確実に上がっていくことです。
まずは群馬県1部を戦いながら、なでしこリーグへの申請を行います。

なでしこリーグでは、財務状況、観客動員、スタジアム、行政との連携などが審査基準となるため、そこをクリアするための準備を進めています。早ければ今秋に、なでしこリーグ2部入替戦への道が見えてきます。

さらにその先、WEリーグを見据えると、スタジアム整備は避けて通れません。群馬県内では基準を満たすスタジアムが限られているため、東毛地区を含めた新たなスタジアム構想も視野に入れています。ラグビーの日野レッドドルフィンズとの連携なども含め、地域全体での可能性を探っています。

Q5|次世代の女子スポーツ文化に期待すること

女子サッカーは、かつてワールドカップ優勝という大きな盛り上がりがありましたが、今後は「裾野の広さ」が重要だと感じています。トップだけでなく、地域レベルから盛り上がることが必要です。

私たちは、試合にマルシェやイベントを組み合わせるなど、サッカーを「地域の楽しみ」にしていく取り組みを続けています。また、群馬にはソフトボールやバレーボールなど、女子スポーツの強い土壌があります。ルミナスが先頭に立ち、群馬の女子スポーツ全体を盛り上げていけたらと思っています。

ザスパ群馬ルミナスhttps://thespa-l.jp/

情報ぐんまへのメッセージ

情報ぐんまさんには、試合やチームの情報を継続的に取り上げていただき、本当に感謝しています。
これからも一緒にチームをつくり、全国へ挑戦していけたら嬉しいです。引き続きよろしくお願いします。

須永和昭社長プロフィール
太田市内で飲食店を経営する傍ら、町づくり・地域活性化に長年携わる。
太田駅北口を拠点に、8年前より年4回開催の「キタグチタウンマルシェ」を主宰し、
地域に賑わいを生み出す継続的な取り組みを実践してきた。
また、「こどもみらいスポーツプロジェクト実行委員会」を立ち上げ、
子ども向けイベントやスポーツを軸としたマルシェを展開。
行政とも連携しながら、次世代育成と地域コミュニティの形成に力を注いでいる。
2024年には株式会社ザスパ群馬レデーススポーツクラブを創設。
ザスパ群馬レディース(現:ザスパ群馬ルミナス)トップチームの運営を担い、
2025年群馬県女子サッカーリーグ2部では全勝・無失点優勝という圧倒的な成績を収める。
2026年は群馬県女子サッカーリーグ1部での戦いに挑み、
その先のなでしこリーグ参入を目標に、女子サッカーと地域の未来を切り拓いている。

【編集後記】

須永社長の言葉から一貫して感じられたのは、
「サッカークラブをつくっている」というよりも、
地域と人が集まる場を育てている” という感覚だった。

60を超える地域イベントへの参加、行政との連携、
試合後に自然と生まれるファンと選手の距離の近さ。
それらはすべて、勝敗の先にある「続いていくチーム」を見据えた取り組みだ。

一方で、そのビジョンをピッチの上で形にしているのが、
GMとしてチーム強化と現場を担う三科GMの存在である。
選手編成や日々のトレーニング、試合への向き合い方など、
ルミナスの「強さ」を支える現場の哲学は、また別の物語を持っている。

次回の取材では、その三科GMに焦点を当て、
チームづくりの内側、そして新たなステージに向けた覚悟を聞いていく予定だ。

情報ぐんまは今後も、ザスパ群馬ルミナスと共に、
経営と現場、両方の視点からクラブの歩みを継続的に伝えていく。

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