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元Jリーガー清水慶記、ゴールの先に見つけた“よろこび”

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元ザスパ群馬・清水慶記さんのセカンドキャリア~「引退選手のロールモデルに」

サッカー・ザスパ群馬(当時J2)で2024年1月に現役を引退した元GK・清水慶記さん。
現在は一転、チョコレートの製造・販売というスイーツの世界へ飛び込み、第二のキャリアに挑戦しています。
地元・群馬のスポンサー企業から事業ノウハウを学び、販路拡大に奔走する日々。引退アスリートの“新しいセカンドキャリアの形”を築こうとしている清水さんに、お話を伺いました。

  • 「地元に帰ってきて良かった」現役時代で一番印象に残る瞬間

「2016・2017年にレンタルで加入し、その後チームを離れましたが、2020年に戻ってきてから2023年に引退しました。」
地元前橋出身の清水さんは、高校2年生の頃に誕生した「ザスパ草津」でボールボーイを務めた経験を持つ、ザスパとともに育った存在です。
「最初に戻ってきたとき、“おかえりなさい”という温かい声をたくさんいただき、本当に嬉しかった。キャリアハイの42試合フル出場も、地元だからこそ頑張れたと思います。」
残留争いが続く苦しい時期でも、応援し続けてくれるサポーターの存在が心の支えだったと言います。現在はザスパ群馬アンバサダーとしてクラブを支え続けています。

  • 「ケーキ」の慶記、スイーツの世界へスイーツの道を選んだ理由

引退後のキャリアに“お菓子作り”を選んだ理由を尋ねると、少し照れながら答えてくれました。
「名前が慶記(ケーキ)なので、現役中は“ゲームパティシェ”と言われたこともありました。興味はずっとあったんです。」
サッカーしかしてこなかった自分が、何に興味を持ち、何が得意なのかを確かめるために、いただいた仕事はできる限り挑戦。イベント販売やスピーチ、サッカー教室などを通して、**「一歩踏み出すこと」**の大切さを実感したと言います。
「毎日新しい発見があって、引退後の方が忙しいくらい。でもすごく充実しています。」

  • ブランド名に込めた親からの言葉”―『よろこびをしるす。』

清水さんのブランド名『よろこびをしるす。』は、自身の名前が由来です。
「名前の“慶記”には“よろこびをしるす”という意味があると親から教わりました。人生の“よろこび”をどれだけ感じられるかで生き方が変わる。その気づきをくれた名前をそのままブランドにしました。」

パッケージには贈り物を意識したリボンのデザインを採用。商品名をひらがなにしたのも「誰でも読めて、よろこびを感じられる」ため。
現在は県内企業の贈答品としての採用も増え、群馬から県外へと広がりを見せています。

  • スポンサー企業とともに生む「新しいロールモデル」―2ヶ月で1万個のマフィン販売も

「実は引退の1年前からスポンサー企業さんを回り、試作品のお菓子を配っていたんです。」
その中で、ザスパのメインスポンサー・カインズからマフィンプロデュースの依頼が舞い込みます。
「材料選びから陳列方法まで学ばせてもらって、8店舗で販売できました。6種類のマフィンを1種づつ2ヶ月で約1万個販売できたのは、自分にとって大きな自信になりました。」
一選手の挑戦をクラブとスポンサーが支える取り組みは珍しく、清水さんはそれを引退選手のロールモデルにしたいと考えています。
「また、GCCアグリテック様とのホーム戦、催事でのキッチンカーによる実際の販売経験。多くの企業に興味を持っていただき実現できたことが大きな自信になった。」

「よろこび」を拡げるために群馬から全国へ

『よろこびをしるす。』は、前橋市のふるさと納税返礼品に登録され、県内催事への参加を通じて認知を広げてきました。

2年目の今年は県外にも挑戦。

現在は西武・そごう渋谷、今後は東急百貨店のバレンタイン商戦にも並ぶ予定です。

また、地元企業とのコラボも活発。

商品はチョコレートバーを中心に、溶けにくく通年で贈答品として使える堅焼きワッフルにチョコを染み込ませたヴァッフェル、スイーツ工場との連携によるチョコ大福アイスなどを展開。

バレンタイン、母の日、父の日、ハロウィン、クリスマスと季節商品にも挑戦しています。

おかげさまで自社ECサイトでは、全国から入学・卒業・新居祝い・昇進祝い・出産祝い・お年賀・お中元・お歳暮・お誕生日など、多くの“よろこびの場面”に「よろこびをしるす。」の商品を選んでいただいています。

県内企業とのコラボレーションで広がる可能性

「よろこびをしるす。」では、地元企業とのコラボレーションを積極的に展開している点も大きな特徴です。「マフィン以降も県内企業さまとのコラボ商品が増えています。またお中元やお歳暮など贈答品として、地元企業の皆さまにご利用いただけるケースをさらに広げていきたいと考えています。」

私のビジョンは、単なる商品販売にとどまりません。
群馬の企業同士が連携し、互いに支え合う文化を築くこと。そして、その象徴として「よろこびをしるす。」が機能していくことを目指しています。
「地元で生まれ育ち、地元のチームでプレーさせていただいた。今度は地元企業の皆さまと一緒に、群馬を盛り上げていく番だと思っています。これからも積極的にコラボを重ね、群馬県に注目してもらえる機会を増やしていきたいと考えています。」

ザスパスポンサーである株式会社サンワのスイーツ工場との連携、株式会社GCCアグリテックとのキッチンカー運営など、複数企業とのノベルティ商品・オリジナル商品の製造を進めています。また、地元の飲食店や食品事業者とも機会をいただきながら、商品づくりや企画に取り組むことが増えてきました。地域の企業と一緒に形にするプロジェクトも少しずつ広がっており、現在も新たなコラボ企画を準備しています。

  • 若者へ、アスリートへ「一歩踏み出せば景色が変わる」

引退後の清水さんは子どもたちの指導にも携わり、サッカー以外の体験を積むことの大切さを強調しています。「例えばアカデミーの子どもたちには、泥んこサッカーも稲刈りも経験してほしい。サッカーを辞めるときに、いろんな体験が“ヒント”になるんです。」自身が多くの“偶然と縁”に助けられた経験があるからこそ、こう続けます。「やってみると意外とできる。意外と誰かが話を聞いてくれる。だからこそ、一歩踏み出してほしいんです。」

どんな選手も必ず引退を迎えます。
清水さんは「社会人1年目としてゼロから社会に出るのではなく、これまでのキャリアを“自分の価値”として捉え、自ら対価を生み出せる存在であるべきだ」と語ります。もちろん実現しないことも多くありますが、そこにこそ経験が生まれる、とも言います。
企業から声を掛けていただくこともあれば、自分から提案しに行くことも多い。アスリートであれば誰もが、技術やコンディションを高めるために「何をすべきか」を考えてトレーニングするはずで、その姿勢は自然と身についているもの。
清水さんは、このマインドはどんな進路でも確実に生きると考えています。

清水慶記ホームページ https://yorokobiwoshirusu.jp/
Instagram https://www.instagram.com/shi.keiki/

【生年月日】1985年12月10日
【出身地】群馬県前橋市
【所属クラブ】
 1998年 – 2000年 FC前橋ジュニアユース
 2001年 – 2003年 群馬県立前橋商業高等学校
 2004年 – 2007年 流通経済大学
 2008年 – 2019年 大宮アルディージャ
 2016年 – 2017年 ザスパクサツ群馬 (期限付き移籍)
 2018年 ブラウブリッツ秋田 (期限付き移籍)
 2020年 – 2023年 ザスパクサツ群馬

  • 編集後記

清水慶記さんが引退した当時、ザスパはまだJ2の舞台で戦っていました。
長くクラブを支えた守護神が、今はチョコレートで人の“よろこび”をつくっている。その姿に、清水さんらしいまっすぐさと優しさを感じました。取材の終盤、清水さんはこう話してくれました。
「いつか、清水慶記ならではのイベントを群馬で開催したい。」
その言葉に、私たち「情報ぐんま」編集部も心が震えました。必ず面白いものになると確信しています。もちろん情報ぐんまも全力でお手伝いします。企画から広報・PR、当日の取材まで、伴走をお約束します。これからも、地元のクラブとともに育った一人の男の挑戦を追いかけていきます。

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