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不可能をひっくり返すイノベーターたちの熱狂
「風景 〜そして見えてくるもの〜」
一方向に進んできた時間の中で、過去に何を見てきたか。だからこそ今がある、それは現在。 あなたにどんな風景が見えているか? 社会の礎になっているか。そして未来、実際のところ五里霧中……。 時が流れ、空気が流れ、心が流れ、みんなで確かな風景を作ろう。 あなたの風景を見せて下さい。あなたの言葉で教えて下さい。 Make Everyone Delighted! 『MEDぐんま2026』
2026年5月17日、群馬会館にて開催された「MEDぐんま2026」。今回のテーマは、単なる医療の枠を超え、一人ひとりが紡いできた「風景」を持ち寄り、これからの確かな未来の風景を共に創り出すこと。会場を包んだ圧倒的な熱量と、舞台裏で交わされた熱い想いを、『情報ぐんま』が独占取材でお届けします。
- 主催・岡田先生インタビュー:リアルな舞台裏と「第10回記念大会」へのグランドデザイン



まずは、本大会を牽引し続ける岡田先生にお話を伺いました。そこには、継続することのリアルな葛藤と、それを遥かに凌駕する確かな手応えがありました。
「息切れしかかった」舞台裏
第9回を迎えた今回、岡田先生は「かつてない大変さを痛感した」と本音を漏らします。 今の時代背景における集客や資金調達の難しさに加え、岡田先生ご自身の環境の変化(異動)も重なり、圧倒的な時間不足に直面。9年間の継続の中で「実は息切れしかかった局面もあった」と言います。
「数」より「質」、世界基準の満足度
しかし、幕を開けた今大会は確かな価値を残しました。 「プレゼンターの絶対数は少なかったものの、中身が非常に濃かった。来場者の満足度は極めて高かったと感じています」 世界的な医療デバイス開発者であるデバイサー氏をはじめ、登壇者たちが聴衆の心を鷲掴みにし、深い学びを残しました。終了後に寄せられた多くの「良かった」という声が、次回への大きな原動力に昇華しています。
来年、10年の集大成へ
岡田先生の頭の中には、すでに「10年目のグランドデザイン」が芽生えています。
- 進化の証明: 過去のプレゼンターを再び呼び、さらに進歩した姿を見せる。
- 10年の総括: チーム刃-YAIBA-のメンバーによる、この10年を総括するセッション。 「これらを詰め込んだ、進化した大きな大会にしたい」と、10周年記念大会への強い意欲を語ってくれました。
迫水秀樹さん:世界と日本の真ん中で、音という「エネルギー」を届ける



世界90カ国以上をギター1本で巡り、ステージで圧倒的なメッセージを披露してくれたシンガーソングライターの迫水秀樹さん。演奏直後、その音楽の核心について話を伺いました。
言葉の壁を超える音楽の力
「言葉を超えて、音を介して人々と繋がり、出会える。その瞬間に、音楽の力って本当に凄いなと実感します。言葉の意味が分からなくても、聴いた瞬間に繋がれるんです」
サブスク時代だからこそ「生のライブ感」
あえて現場での発信にこだわる理由を、迫水さんはこう語ります。 「CDやデータには入らない“エネルギー”が、生には絶対にある。音はエネルギー。そこにいないと絶対に届かないもの、その瞬間の呼吸や空気感を一番大事にしたいんです」
世界と日本を結ぶメッセンジャーに
今後の目標は、100カ国を巡り「世界と日本の架け橋」となること。 「海外の人に『日本に自分のことを思ってくれる人がいる』と感じてもらえる関係を築きたい。世界と日本の真ん中に立ち、誰かを感化するメッセンジャーとして、もっと有名になります」
西谷咲希さん:勝山から未来へ。誰もが寂しさを感じない居場所(シェアハウス)を創る



地域おこし協力隊としての活動を経て、自身の夢を堂々と発信した西谷咲希さん。登壇直後、これからのビジョンと、群馬との意外な繋がりについて伺いました。
夢を発信し、成長の第一歩へ
「まずは自分自身の成長の第一歩になれば、と。自分が思っていることや夢を、いろんな人に発信していく機会をいただけるということで、今日このステージに立ちました」
協力隊の「その先」にある法人化とシェアハウス
3年の任期後、西谷さんは勝山での法人化としたシェアハウスの立ち上げを見据えています。 「介護保険のサービスを立ち上げたり、経営の軸として非営利のイベント活動もやりたい。困っている人や、寂しい気持ちがある人をちょっとでも助けられる場所にしたいです」
群馬の先進事例(南牧村)との共鳴
実は群馬県にも、高齢化の進む南牧村でゲストハウス(シェアハウス)を始め、2年先まで予約が埋まるほど奮闘している女性がいます。西谷さんの挑戦は、まさにこうした地域課題を解決する先進事例と深く通じるもの。 『情報ぐんま』としても、彼女の活動が形になっていく姿を追いかけ続けていきます。
平林景さん:ドリームキラーを黙らせる関西式イノベーション「ザ・パワー・オブ・知らんけど」



圧倒的なユーモアと熱量で会場を爆笑と感動に包み、見事「前橋市長賞(視聴者賞)」を受賞した、一般社団法人日本福祉医療ファッション協会の平林景代表理事。
「知らんけど」が最強のイノベーションを起こす3つの理由
服飾経験ゼロ、英語ゼロ、お金ゼロから、車椅子モデルのみのパリコレや、関西万博でのオムツファッションショー(世界1000万回再生)を実現させた平林さん。その原動力は「知らんけど」という魔法の言葉にありました。



- 脳内会議(ドリームキラー)の一発解散: 何かを始めようとすると現れる「失敗するぞ」という脳内の反対派を、「……知らんけど!」で強制終了させる。
- 「完璧主義」からの脱却(ポンコツの才能): ハードルを劇的に下げることで行動を軽くする。自分が未完成であることを受け入れるからこそ、周りのプロを巻き込める。
- 常識や偏見のオセロをひっくり返す: 「車椅子だから・オムツだから隠す」ではなく、「だからこそ超カッコいい、お洒落」に変える。すべては「やってみんと分からへん」の精神から。






前橋市長賞(視聴者賞)受賞の驚きと群馬へのエール
「受賞はまず無いなと油断して座っていたので、一番意外で本当に驚きました。群馬にまだ貢献できていない自分を選んでいただけてありがたいです」 超保守的と言われる群馬において、社会の価値観をひっくり返す平林さんの存在は、まさに「群馬の起爆剤」。
さらに、イベント直後には前橋市長と直談判し、平林さんが進める「湯浴み着(ゆあみぎ)」イベントを前橋市で開催する方向で話が繋がったという超スピード展開も!



死ぬまで未完成、大人こそもっと自由に
専門学校の「夢学科」で講師も務める平林さんは、大人の顔色を窺って夢を小さくまとめてしまう子どもたち、そしてブレーキをかけてしまう大人たちへ強いメッセージを投げかけます。 「死ぬ直前まで未完成で、『あともうちょっと行けたのになぁ』と思いながら死ぬ方が健全。大人こそもっと自由で、ぶっ飛んだ姿を見せるべきです」


桐生第一高等学校箏部




スクワットキングダム国王/理学療法士

朝日新聞社社長

お砂糖博士®/新美歯科オーラルケア理事長

みさと中央クリニック理事長・院長

【編集後記】
今回登壇したイノベーターたちに共通していたのは、自分の「未完成さ」を恐れず、だからこそ周囲を巻き込む圧倒的な熱量を持っていたことです。それは、激変する環境のなかで葛藤しながらも、この場所を9年守り続けてきた主催の岡田先生の背中とも深く重なり、まさに今大会のテーマである「確かな風景」を形作る姿そのものでした。
実は、昨年のMEDのステージに「湯あみ着」のプレゼンターとして立っていたのは、私自身でした。あのとき必死に撒いた志の種が、今年、外からやってきた平林さんという最強の起爆剤によって、前橋市長を巻き込むプロジェクトとしてわずか数時間で結実しました。これこそが、MEDぐんまという場所が持つ本物の魔力であり、共創(コ・クリエーション)のダイナミズムだと、鳥肌が立つような確信を覚えています。
「うまくいくかは、わからんが、とりあえずやってみようや。知らんけど」

